緑茶の基本
緑色のお茶。煎茶、被せ茶、玉露、釜炒り茶などを含む。茶葉の新録色を保つため、新芽が収穫直後に加熱処理を受けて殺青されるのが特徴。
茶栽培における被覆管理について
玉露、かぶせ茶や碾茶に使用される茶葉を育てる時は新芽内のアミノ酸を保持するため、茶園を覆うことが一般的になっている。覆い方が何通りかあり、必要とされる労力やかかる費用などによって、どのお茶の栽培に適用されるかが変わります。
下で一般的な方法を紹介する。また、煎茶の栽培は基本的に路地で行われ、茶樹を被せずに育てる。
被覆栽培の日光遮断方法
「本簾(ほんず)被覆」は主に 玉露 と 碾茶 の栽培に使用される伝来の棚型被覆方式。1~2枚新芽展葉の時期に葦簾で茶園全体を覆う。初期の7~10日間は日光を55~60%遮断。その後、葦簾の上に10㌃あたり600~700㌔の稲藁を均一に振り広げ、後期のおおよそ10日間の間は日光を95~98%遮断。
「寒冷紗(かんれいしゃ)」は本簾被覆に代わる現代的な被覆方式に使用される化学繊維資材のことを言う。棚型二段方式、トンネル方式、直掛け方式がある。
〈棚型二段被覆〉は上中級 玉露 と 碾茶 に使用される。新葉が1枚展葉から遮光率65~70%の上段ネットと70%の側面ネットを7~10日間掛ける。新葉が2枚以上の頃から遮光率90%程の下段ネットを上段ネットに合わせて掛け、全体の遮光率を95~98%まで上げる。計20~25日間被覆を継続する。
〈トンネル被覆〉は かぶせ茶 などに使用される。遮光率60~75%の化学繊維資材を一層のみ7~10日間掛ける。
〈直接被覆〉は下級 碾茶 や 玉露、かぶせ茶 や 被せ煎茶 に使用される。トンネル方式と同じ資材を使用するが、トンネル形状を支える柱を除き、茶樹の表面に直掛けする。碾茶や玉露の場合は遮光率が高めな資材を使用し、被覆期間を20日間前後取る。かぶせ茶は被せ香が発揚できるまで10日間前後被覆し、煎茶の場合は期間を短くする。
被覆による茶味の変化
茶葉に生成されるアミノ酸が光合成によってカテキンに変化する。
アミノ酸 = 旨味成分
カテキン = 苦味成分
被覆をすることによって、アミノ酸の成分変化を抑制し、カテキンの生成量を極限に抑えることが可能。換言すれば、被覆することで旨味豊富な緑茶を製造することが可能になる。

ベルギー人茶人です。武家茶道の一派の遠州流茶道の師範として、日本のお茶文化を伝授。日本茶インストラクターとして自然で香高い最高級の日本茶を世界に伝えている。