お茶の仕上げ加工と出物茶の生成について
基本的な製造工程を経たお茶は一般的に「荒茶」という。この荒茶はまだ茎や粉など、大きな葉っぱも含まれている。最終的に商品化ができるために出来上がった荒茶が後いくつかの仕上げ加工を受ける。これらの工程や順番は各製造業者によって異なるため、ここではそのおおまかな解説のみとする。
整形・分別
製茶工場で出来上がった荒茶は形が不揃いで、水分含有量もまだ多いため変質しやすい。荒茶を製品として完成させるために仕上げ加工を通じて外観や香味を整え、貯蔵を可能にする。切断による整形、それから風力や電気的感応による選別や木芽分離、篩分けなどを行う。
分離された素材には、硬葉(こわば)(頭(あたま)とも言う)という大きな茶葉、茎や葉脈、細かすぎる芽や粉がある。これらの素材はそれぞれの出物茶の製造に使用される。
火入れ
荒茶をまとめて火入れしてから篩い分けをする「先火方式」と、分別してから、それぞれに最適な火入れを行う「後火方式」がある。荒茶では5%ほどだった水分を、さらに乾燥させて3%程度にまで落とす。熱風を当て、熱い鉄板の上で炒るといった方法が一般的。火入れは、茶葉の色沢を向上させ、香りを引き出す。上級煎茶は、火入れによって茶葉の色が深まり、艶が出る。火入れによって生まれる香りの「火香」が特徴的。
合組(ごうぐみ)
合組は生産期や場所の異なるお茶を組み合わせ、味、香り、色のバランスを図って消費地の嗜好や販売価格に合わせて茶を調整配合する。これによって、年間を通して「いつものお茶」の提供が可能になる。
お茶の仕上げ完了

ベルギー人茶人です。武家茶道の一派の遠州流茶道の師範として、日本のお茶文化を伝授。日本茶インストラクターとして自然で香高い最高級の日本茶を世界に伝えている。