Benihikari wa-kocha Black Tea 2018

和紅茶の製造工程について

和紅茶(発酵茶)の製造工程

※ 国内における紅茶造りの基準は定まっておらず、製造者は独自の工夫をしながら、「和」の要素とは何かを模索しつつ、日本の風土・茶品種に合った紅茶の作り方を試行錯誤し続けて行っている。ここでは紅茶の製造方法の大まかな概要の紹介のみとする。

萎凋

萎凋は新芽を萎れさせ、紅茶の基礎となる香味を発揚し、揉めるように生葉に含まれている水分を取り除き、弾力性を少なくする工程である。普段は日陰干しで「自然萎凋」をする。その際は摘み採った生葉を網や麻布でできた萎凋棚に広げ、15~20時間萎凋させる。萎凋槽を用いる人工的萎凋方式も現在行われている。その場合、均一な風量を萎凋槽に送り込み、萎凋時間、生葉を敷く厚さ、気温と湿度を調整しながら萎凋具合を細かく調整し、製品の出来具合の狙いを定めることが可能になる。

第一揉捻

緑茶製造時と類似している構造の揉捻機で茶葉に上から圧力をかけて揉み、茶葉の細胞組織を破壊し、葉の中の酸化酵素を含んだ成分を外部に絞り出し、空気に触れさせて酸化発酵を促進する。

酸化酵素が空気中の酸素に触れると活性化し、カテキンやペクチン、クロロフィルが酸化発酵する。この酸化発酵を通じて、紅茶の香り・味・コク・水色のベースが造られる。揉捻発酵時間は45~90分。

篩分(ふるいわけ)

揉捻工程は、押さえ蓋で茶葉を強く圧迫しながら揉むので、酸化発酵が進み過ぎて、茶葉は塊になる。茶葉の冷却を図ると同時に玉解機で茶葉をほどいて平均的に空気に触れるようにする。この機械は粗いメッシュが上下左右に動く仕組みになっており、下にふるい落とされたものを「ふるい下」といい、品質劣化を防ぐために次の工程に移す。一方、ふるいに残った大きい葉を「ふるい上」といい、再び揉捻機にかける。

第二揉捻

ふるい上に残ったものを再び揉捻機で揉み、細胞の破壊を進め、酸化発酵を活性化させる。ふるい下の茶葉に合わせて、次の工程に移す。

発酵

室温25~26℃、湿度90%の発酵室に、厚み4~5cm程度に広げ、2~3時間放置する。この段階で、緑色だった葉が鮮やかな赤銅色になり、紅茶としての芳香を漂わせ始める。

発酵止め・乾燥

発酵しすぎると、紅茶の命である香気がなくなり、水色も黒っぽくなる危険性がある。酸化発酵の程度は、茶葉が変化していく状況に応じて「香り」や「色」で判断し、適度な段階で酸化発酵を完全に止める。

発酵を止めるために乾燥機に入れ、化学変化を抑えると同時に、100℃前後の高温熱風で酸化酵素の活性を止め、発酵終了時に水分含有率が約60%だった茶葉を、水分3~5%まで乾燥させる。乾燥を終えた茶葉を広げて放熱させる。

篩い・風力選別

出来上がった荒茶は形が不揃いなので、荒茶を製品として完成させるために、仕上げ加工を通じて外観や香味を整え、貯蔵を可能にする。整形、風力や電気的感応による選別や木芽分離、篩分けなどを行う。

熟成

出来立ての紅茶葉は、まだ若々しい感じが強く、苦味も青みも残っている。半年か一年寝かせると、香気と滋味が落ち着き、丸みが備わり一層美味しいお茶になる。熟成を通じて、若々しい時の苦渋みが円熟し、華やかな香りやフルーティーな性格が表向きに出される。基本的に温度・湿度の管理が行き届いた貯蔵庫で保管し、時間が経つことを待つことである。

紅茶の完成

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